学校法人大阪電気通信大学様 WinActor®導入事例紹介
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WinActorを導入された学校法人大阪電気通信大学に導入の経緯や自動化した業務などをお聞きしました。
【学校法人大阪電気通信大学 プロフィール】
学校法人大阪電気通信大学(寝屋川市/四條畷市/守口市)は、「人間力と技術力を兼ね備えた人材の育成」をミッションとした「実学教育」を追求しています。大学教育では、原点でもある情報教育をより一層進展させた新たな実学を掲げ、情報・通信系の情報工学科、通信工学科、情報学科の発展はもちろん、建築・機械・環境・医療・リハビリ・スポーツ・ゲームなど、工学をベースとしたあらゆる学問に先進の情報テクノロジーを取り入れた教育を展開しています。どの分野でも、卒業時には専門分野と情報分野の知識・スキルを兼ね備え、学生一人ひとりが超スマート社会で活躍し、豊かに生きていけることをめざします。
※インタビュアー:芝田 剛志(株式会社エデュース コンサルティング部)
学校専門のコンサルタントとして経営改善、業務改革のプロジェクト等に従事。全国の学校に対して RPA を利用した業務改善を行っている。
対象業務のロボット作成支援を担当。
RPAの導入経緯
芝田:RPAの導入を検討した時期やきっかけについてお聞かせください。
RPA の導入経緯について語る千松さん(事務局長)
千松:私は企業出身で「学校に企業のマネジメントを取り入れたい」という意向を受け、2016年に学校法人大阪電気通信大学へ入職しました。
入職してまず驚いたのは、企業と比べると紙が多く、昔ながらの仕事の仕方をしているという点でした。
初めに経営企画部に配属され、改革を進める中で、2017年に大学事務局長と共に、全事務部門へヒアリングを行い業務の棚卸をしました。
そして、やめる業務を決定、継続する業務の簡素化を進め、定型業務はRPAに、外部委託化できるものは移行を進める方針としました。
RPAに関しては、2018年に学内向け説明会、2019年にRPA導入に積極的であった教務系部署に操作研修会を実施し、まずは実績をつくらないと横展開できないと考え、2019年度中に一つシナリオを作成して稼働させました。
芝田:2020年以降にRPAを複数部署展開されたと思いますが如何でしょうか。
千松:教務系部署の学務課から始まり、経理課、広報課、総務課と4部署で利用するまで広がりました。
特に、経理課で利用しているタイムスタンプのシナリオはRPAを導入して良かったと私自身も感じるくらい成果が得られました。
芝田:RPA導入をきっかけとして意識されていることはありますでしょうか。
千松:学校はこれまでのやり方を変える事に対する抵抗感が強い風土がありますが、それを変えていくにはやはり外を知る経験が重要だと考えています。その為、職員には積極的に学外の方との交流や学外での経験を積み、その経験を学内に還元していくことを伝えるようにしています。
RPA利用部署としてのご意見(経理課)
芝田:経理課で導入したシナリオの内容と効果について教えてください。
植田:メインで稼働しているのは、3つのシナリオです。
①謝金伝票の自動起票シナリオ
謝金の支払い実績をリスト化したExcelデータがあり、それを年末に一気に処理するシナリオです。
2、3日かけて入力していたのが1日かからなくなり、人がつきっきりにならなくて良いので手間がほぼゼロになりました。
②決算時の会計帳簿バックアップデータ自動保存シナリオ
本学では、決算時に会計帳簿のバックアップデータを保存しています。システムの全帳票を保存するため、多くの時間をかけていましたが、それを自動保存するシナリオです。帳票をファイル作成する際に、人がやるとファイル名や出力設定を誤って保存することや出力が漏れて保存されていなかったことがありましたが、RPAでやるとミスなく保存ができるようになりました。
③電子帳簿保存の対応シナリオ
本学では、ワークフローシステムを導入しています。そのワークフローシステムではファイルを添付する機能はあるのですが、一括ダウンロードができない仕様でした。その為、RPAで一つ一つダウンロードして、伝票番号ごとのフォルダにタイムスタンプを付けて保存するシナリオを作成しました。
RPA を使ってみた感想を語る植田さん(学務課)
芝田:経理課のシナリオは全て植田さんが作成されていますが、SE(システムエンジニア)のご経験があったのですか?
植田:はい、SEの経験があった事もあり、自身でシナリオ作成をしています。
NTTデータ社が運営しているユーザーフォーラムも活用しており、シナリオ作成には非常に役に立っています。
芝田:RPA(WinActor)を使ってみて何か不満な点はありますか?
植田:PC環境が変化(アップデート等)した際にはシナリオを修正する必要があるため、手間はかかります。
それでも、一度RPAを利用して便利さを知ってもらえれば、こんなにも自動でやってくれるんだとRPAの有用性を実感してもらえると思いますよ。
RPA利用部署としてのご意見(学務課)
芝田:学務課で導入したシナリオの内容と効果について教えてください。
植田:今稼働しているのは3つのシナリオです。
①施設予約自動化シナリオ
現在、グループウェアで施設予約をしており、寝屋川キャンパスだけで年間2万件程度の施設予約が入ります。予約データの承認処理を行う必要があるのですが、全件一括での承認機能がないため1件1件選択して手作業で承認しており、とても手間を要していました。この承認作業を自動化したことで、退勤前にRPAを稼働させると、翌朝には処理が終わっています。件数が多い時でも2日あれば処理が終わるようになりました。
年に4回程度の頻度で利用しているシナリオですが、とても助かっています。
②科目履修生の成績等帳票作成シナリオ
科目履修生はシステムで管理することができないので、職員が手作業で帳票を作成する必要があります。
年2回程度(前期・後期が始まる前)、1回あたり約100件のデータ処理が必要な業務なので、マクロで対応していたのですが、上手く動かないことが多かったため、RPAを活用しました。
単純作業と相性が良いRPAを活用することで、正確な作業が短時間にできるようになりました。
③成績表(PDFファイル)の振り分けシナリオ
寝屋川キャンパスでは、学生が約3,500人おり、成績表は元々紙で配布していたのですが、コロナ禍で紙での配布ができなくなり、PDFデータの配布となりました。
学生はポータルサイトで自身の成績表を閲覧できますが、教員は学生用ポータルサイトだと一人ひとりの成績を個別に確認しに行く必要があり、それだと手間がかかってしまうため、学務課職員が教員ごとに担当学生分を振り分けていました。この成績表振り分け作業は相当な時間がかかっていたため、業務自動化のシナリオを作成しました。
RPA を使ってみた感想を語る植田さん
芝田:RPA(WinActor)を使ってみて何か不満な点はありますか?
植田:学務課分のシナリオは、エデュースのサポート担当の方に作成してもらったものが多く、わからない事があるとその方へすぐに質問、相談させていただいているので特に不満はありません(いつもいつもありがとうございます!)。
シナリオ利用に当たっては、少し余裕を持ったスケジュールで利用するようにしているのでトラブル(シナリオがエラーで止まってしまったりした場合)が起きた際でもサポート担当の方へ相談して対応することでほぼ問題なく利用できています。
RPAを活用することで、作業時間が短縮できており大変助かっているので、今後も利用範囲を広げていきたいです。
今後のRPA活用、展望
芝田:業務改善推進部署としての今後の目標はありますか?
谷:RPAを使う事を目的とせず、なぜ教育業界でRPAを活用する事が重要なのかを考えてもらえるように仕向けています。2023年度は、経営戦略室主催で、若手のワークショップを開き、大学の課題について俯瞰して見られるよう、またそこから行動変容することによって自分たちの業務に落とし込み、自分事で考えてもらうようになりました。その成果として、若手職員主催でGoogle Apps Script 講習会を行うなど、各ツールを利用する敷居を下げる取り組みが実行されています。また同時に実施したトップセミナー(幹部職員向け)からも部署横断型の企画案が出てきています。
この様に人でしか解決できない課題を改善していけるような事にチャレンジしていく人材育成を心掛けており、その結果、非定型業務を自らやりたいという考え方が生まれ、増えてくるとおのずとその分、定型業務を減らしたいという考えに至ると考えています。
今後の展望を語る谷さん(経営戦略室長)
RPAはその定型業務を減らす一つの手段としての有効と考えています。
もっと攻めの部署になろうという意向で、2022年度までは経営企画室という部署名でしたが、2023度から経営戦略室と組織名を変えました。
経営戦略室としては、2023年度は改革の元年として、2024年度からは具体的なアウトプットを出していく事を目標としています。
アウトプットの中で、自ら、RPAの旗振り役を担う人材が出てくることに期待しています。
芝田:学外に向けて何かメッセージはありますか?
他学へのメッセージを語る伊森さん(経営戦略室)
伊森:理工系をベースとする大学として、新技術について進取果敢に取り組んでいきたいと考えています。業務改善・学校改革について積極的に他学様とも情報交換できればと思っています。
ぜひ、そのような思いをお持ちの方は、経営戦略室宛にご連絡頂き、共に成長発展できればと思います。
エデュースRPA支援サービス
エデュースでは、学校に特化したRPA支援サービスを展開しています。RPA導入をご検討の方は、是非ご相談ください。
また、「学校事務RPAデータベース」では、学校現場で活用されているRPAの事例をご紹介しています。